二期・分割二期

二期・分割二期とは、TVアニメの続編のことである。
どちらも外見だけなら二期ではあるのだが、分割でない方が
名誉があることなので、普通の二期が尊ばれている。

【普通の二期とは】
TVアニメが予定のクール分を放送し終えると打ち上げが行われるが
そのアニメの円盤やグッズ、原作物なら原作の売上の伸び等で
「製作委員会にとって黒字か」どうかが判断され
製作委員会から「またこのアニメで儲けたいから作って」と頼まれることで
続編アニメ、つまり二期が実現可能となる。

基本アニメの「制作」はアニメに出資しないため、与えられた予算で
全話しっかり作って納期に間に合わせれば、その余った予算分が制作の収入となるので
円盤の売上が爆死したからって「制作オワタ\(^o^)/」みたいに勘違いしないように。
もちろん制作が出資したオリジナルアニメが爆死するとマジでヤバイのだが。

通常、アニメ制作スタッフは皆忙しく、そのアニメを作り終えたらすぐに
次以降の仕事が入ることになり、アニメの2期をやる場合、スタッフをもう一度集めて
再度そのアニメ作りができる環境を作るのに時間がかかる。
場合によっては一部スタッフが色んな事情で変更されることもあり
それはリーダーたる監督はおろか、制作スタジオそのものも変わることもある。
なので、二期が決まってそれで喜ぶのは危険であり、地雷スタジオに投げ売られたり
悪名高い監督や脚本家に作られたりする地獄を味わうことも覚悟しないといけない。

とはいえ、二期があることの喜びは計り知れない。そのクールの生きがいが増えるんだし。
映画で続編をやったり、OVAで続編をやることもあるが、TVの続編に比べると負け犬感がある。
何故ならTVの続編を実現するのが一番ハードルが高いからである。
それにTVの続編の方が扱える原作の話数が圧倒的に多いんだし、猶更勝ち組感がある。

ただ二期の放送は、どうしても一期からはかなり間が空くことになってしまう。
一期を作るのに使ったスタジオや資料、脚本が二期でそのまま使えるとは限らず
新たに環境を作り直すこともあり得るため、制作を開始するまでの時間だけでも結構かかる。
一番作画的な意味で作るのが楽な日常アニメを例に出すと、「ごちうさ」の二期は
一期から1年半で放送されたのだが、共同制作としてキネマシトラスが加わり
海外グロスは更に多くなり、制作後のスタッフの疲労がヤバイことになって
「しばらく休ませて」と根を上げるまでに至ったのだが、それでも1年半かかるのである。

「ごちうさ」以外だと、「きんモザ」や「のんのん」は1年3クールかかっており
「きんモザ」は一期よりも作画が劣化するなど、1年3クールでも余裕がないことがわかる。
つまり、普通の二期を放送するのには、大体2年前後かかるということになる。
2年も待つの辛い…けど案外待てるもんなのです。1年なんてあっという間さ。

以上のことから、普通の二期を簡単にまとめると

・そのアニメの売上(実力)でないと勝ち取れない
・決定から放送までが長い(約2年)
・スタジオ、スタッフの変更があり得る
・↑の事情により、一期よりも環境が悪化しやすい
・TV>>>>>映画>OVA、ぐらいの価値観

ということになる。結構不安要素が多い…多くない?


【分割二期とは】
では分割二期なのだが、厳密には「二期でない」場合が多い。
当初は連続2クールや4クール予定だったのだが
それをこなせるだけの戦力じゃなかったり、放送枠がなかったり
主要スタッフのスケジュールが連続クールでやれるものではなかったり等
予定通りいかなかったために、仕方なく分割して作り、放送するのが
分割二期の主な事情である。だらしねぇな?

「それってつまり0.5期を2回に分けてやってるだけじゃん」と言われればその通り。
普通の二期と違って二期の放送のタイミングが早く、大抵は1年以内で始まる。
中には2クール空いただけですぐ始まるのもあり、明らかに情けない制作事情が伺える。
「モバマス」みたいに、その事情が大っぴらになってしまうケースもあり
分割二期は普通の二期に比べると完全に二期(笑)であると言える。

1年半で死に物狂いで普通の二期を作り上げた「ごちうさ」スタッフに対し
1年どころか僅か2クール後に放送した分割二期アニメスタッフは大抵ピンピンしてる。
明らかに普通の二期とは勝手が違うことがわかるだろう。

普通の二期だと、制作スタッフや監督はおろかスタジオまで変わってしまう恐怖があったが
分割二期は当然そういうのはなく、同じメンバーが一期と同じように作るのが基本である。
なので二期のクオリティの心配をする必要はない。スタッフが抜けたりとかはないし。
そもそも本来の一期の残り半分をやってるだけなんだから当たり前である。

売りスレでは、二期が決定しても、そのアニメの放送時期が1年以内だと
「あっ…(察し」となり、「どう考えても分割ンゴwww」と煽るのが基本である。
そのアニメの信者は当然「分割じゃねーよ死ね!」とマジギレする。
煽りが効いてることから、やはり分割は皆にとって不名誉なのだとわかる。

中には、アニメ公式が大ホラを吹いて「分割じゃないですよ(笑)」と発言することもあるが
そういうアニメのスタッフが過労で死にそうになってるケースは全然ないのが事実である。
いや、1年以内で普通の二期を作りなんてしたらマジで死にますよ?
作画がウレヘンカワヘン化しますよ?落としまくって上の人間が責任取らされますよ?
嘘八百付くのはやめて欲しいところである。

以上のことから分割二期をまとめると

・単に連続2クールや4クール予定だったのが分割されただけ
・その分割の理由が、戦力不足等の情けない事情である
・普通の二期と違って放送されるまでの期間が異様に短い
・普通の二期と違って制作やスタッフの変更がほとんどない
・普通の二期と違ってクオリティ低下が起こりにくい
・不名誉な二期なので、信者が煽りに乗ってキレてしまいやすい
・アニメ公式側も後ろめたいのか、分割であることを隠したがる

等、かなりのンゴ要素が多いことがわかる。


最近になって分割二期アニメが増えてきたのか、以下のことが起これば
判別がしやすくなった感じがするので列挙。

・脚本構成が明らかに1期のみで終わらせる感じじゃない。
具体的に言うと、2期目があるかのようなゆったりペース。変なところで終わる。
・監督や関係者が「分割じゃないよ」とアピールする。
当たり前だが、普通の二期をやったアニメ関係者が分割じゃないアピールをしたことは一度もない。
・監督や関係者が分割二期発表前に「円盤買って」と催促する。
円盤が売れてないから催促してるのではなく、もう分割二期が決まってるから
それで早めにありもしない普通の二期のために円盤を買わせようとしてるのである。
・最終回終了直後に唐突に二期発表をする。
これに関しては売りスレ民でない人でも明らかに怪しんでおり
「あっ、分割なのか…」とTwitterでガッカリする人も多い。
もう既に二期制作の準備ができてるからやれることであり
スタッフの確保も済んでるからである。


「ガンダム00」のシリーズ構成を担当した黒田洋介氏が
00が連続4クールじゃなく分割2クールずつということを知らされた際
視聴者にマイナスに受け取られることを監督の水豚に
電話で泣きながら嘆いたというエピがあったようだが
やはり分割は悪なのである。分割死すべし、慈悲はない。


  • 最終更新:2020-09-26 16:20:30

このWIKIを編集するにはパスワード入力が必要です

認証パスワード